『万葉集』中、クズをよむ歌 
 

→クズ


長歌

 
 真葛延(は)ふ 春日の山は 打ち靡く 春去り往くと
 山の上
(へ)に 霞たな引き 高円に 鶯鳴きぬ ・・・ (6/948,読人知らず)

 ・・・ 延
(は)ふ葛の いや遠(とお)永く 萬世に 絶えじと念ひて ・・・(3/423,山前王)
 


短歌

 
 たかまと(高円)の のべ(野辺)はふくず(葛)の すえ(末)つひに
   ちよ
(千代)にわす(忘)れむ わ(吾)がおほきみ(大君)かも (20/4508,中臣清麿)
 はふくず
(葛)の た(絶)えずしの(偲)はむ おほきみ(大君)
   み
(見)しし野辺には し(標)めゆ(結)ふべしも (20/4509大伴家持)
 夏葛の 絶えぬ使の よどめれば 言しもあるごと 念ひつるかも
(4/649,坂上郎女)

 霍公鳥(ほととぎす) 鳴く音聞くや うの花の 開き落(ち)る岳(をか)に 田葛(くず)引くをとめ
      
(10/1942,読人知らず)
 大崎の あり
(荒)磯の渡(わたり) 延(は)ふくず(葛)の 往方も無くや 恋ひ渡りなむ
      
(12/3072,読人知らず)
 かみつけの
(上毛野) 久路保のね(嶺)ろの くずはがた
   かな
(愛)しけこ(児)らに いやざか(離)りく(来) (14/3412,読人知らず)
 真田葛(まくず)延ふ 夏野の繁く かく恋ひば 信
(まこと)吾が命 常ならめやも
      
(10/1985,読人知らず)
 真葛延ふ 小野の浅茅を 心ゆも 人引かめやも 吾がな
(無)けなくに (11/2835,読人知らず)
 赤駒の い去
(ゆ)きはばかる 真田葛原 何の伝言(つてごと) 直(ただ)にし吉(よ)けむ
      
(12/3069,読人知らず。『日本書紀』天智10年掲載童謡と同)
 水茎の 岡の田葛葉
(くずは)を 吹きかへし 面知る児らが 見えぬ比(ころ)かも
      
(12/3068,読人知らず)

 秋の野(ぬ)に 咲きたる花を 指(および)折り かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
 芽
(はぎ)が花 を花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花
   をみなへし また藤袴
(ふじばかま) 朝貌(あさがほ)の花
      
(8/1537;1538,山上憶良。秋の野の花を詠める)
 なし
(梨)(なつめ) きみ(黍)に粟(あは)嗣ぎ 延(は)ふ田葛(くず)
    後もあはむと 葵
(あふひ)花咲く (16/2834,読人知らず)
 真葛原 なびく秋風 吹くごとに 阿太
(あだ)の大野の 芽子(はぎ)の花散る (10/2096,読人知らず)
 をみなへし 生ふる沢辺の 真田葛原 何時かも絡
(く)りて 吾が衣(きぬ)に服(き)
      
(7/1346,読人知らず)
 雁がねの 寒く鳴きしゆ 水茎の 岡の葛葉は 色づきにけり
(10/2208,読人知らず)
 我が屋戸の 田葛葉日
(け)にけに 色づきぬ 来まさぬ君は 何(なに)(こころ)そも
      
(10/2295,読人知らず)

 


旋頭歌

 
 剣
(つるぎたち) 鞘ゆ納野(いりの)に 葛引く吾妹
   真袖もち 着せてむとかも 夏草苅るも
(7/1272,読人知らず)
 



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